bronson69の日記

いつか読み返して楽しむための文章。

2023-01-01から1年間の記事一覧

美しさ(名づけについて)

名付けというのは、簡単なようで難しく、難しいようで簡単である。なにしろどんな名前だって呼んでればそのうちしっくりきてしまう。慣れから逃れることは誰にもできない。高輪ゲートウェイ駅にもそのうち違和感を覚えなくなる。そんなお手軽なものであるの…

日記

初めての店で散髪をした。カット二千円の安床で、眉毛カットもつけて二千五百円。長さは二ヶ月分くらい切って、ついでに厚くなってるとこを梳いてもらって、と頼み、椅子に座ってエプロンをかけ、眼鏡を外して、そのまま雑誌に目を落とす。おとなの週末の谷…

日記

リビングでひとり夜更かしをしたあと、電気の消えた寝室に入ると、妻が不規則な寝息をたてていた。 寝息の乱れは妻が悪夢を見ているときのパターンなので、やさしくゆり起こして、どうしたの、いやな夢でも見たの、と聞いたら、はんぶん寝ている声で、「悪夢…

日記

軽い気持ちで、浅い中身で、さらさらとメモを取るように日記を書いてみようと思う。書くときの自分を隙だらけにして、なるべく指にまかせて、推敲なんてやらないで。そうやってどうでもいいことばかりを連ねていって、閉め忘れたドアの隙間から何かがひゅる…

日記

東京に帰る新幹線はUターンラッシュで混雑しており、きっちり満席になっていた。我々の席は車両の端から3列目、座席に座るとデッキのほうから「キャアアアアア!キャアアアアア!」と甲高い悲鳴のような鳴き声が聴こえてくる。怯えた犬でもいるのかしらと目…

日記

そういえば世の中がみんな休みのときに帰省するとこんなことになるんだったな、と思い出すような帰省であった。新幹線ホームは大混雑、名物料理のお店は大行列。今回はそういうのはもう早々に諦めて、ごはんはほとんど実家で食べ、外ではコーヒーを飲んで、…

日記

安産祈願で神社にいったら立て札に「昔々、殿さまがお城を作っていたら、それはそれは大きな岩が出てきて、あまりの大きさに殿さまのテンションがブチ上がっちゃって、『うわー大きい!めでたい!奉ろう!』みたいなノリでこの神社ができました」という説明…

日記

きょうから夫婦で盛岡へ。早起きして新幹線の時間より一時間はやく東京駅に行き、丸の内のVIRONでパンを買う。地元にはお高級なパン屋さんがないのでそのようなパンをお土産に買っていくと母がことのほか喜ぶのだ。お土産用のパンと、自分たち用のパンを買い…