勝手
「覚せい剤打たずにホームラン打とう」
シャブ中のオッサンがこれ見て「よし、ワシもシャブやめてホームラン打つで!」ってなるわけないやろ、アホか、ってのが中島らものいつものネタだった。
でも、世界にただひとり、このポスターに胸の奥をえぐられるだろう男がいる。
他ならぬ、清原和博その人である。
過去の自分の発した、誰にも届かないはずの、意味のない言葉が、未来の自分に届いて、背中を押してくれる。
なんだか良くできた映画のような話じゃないか。
他人の人生に物語を見出すって、本当に勝手で、下世話で、下品なことだと思うのだけれど。
でも、清原和博には、どうしても物語を見出したくなってしまう。
そういうのが辛くさせたりしたのかな。
勝手だな、ほんと。