読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

bronson69の日記

いつか読み返して楽しむための文章。

昇太、マトンカレー、かもめんたる

木曜日。仕事を適当に(本当に適当に)切り上げて下北沢へ。春風亭昇太35周年落語会「夜道に月あかり冴えて」@本多劇場。初めての本多劇場。落語で来るとは思わなかったな。昇太師匠が過去を振り返りながら当時やっていた落語をやる、という趣向のようで、不思議な言い方になるけれど、前座も昇太師匠が努めていた。昇太師匠が前座だった時分によく演っていた噺をやった、という意味です。全体的な感想としては、うーむ、ちょっと期待しすぎていたのかなあ…という印象。なんだろう、お疲れなのかなあ、パワーがダウンしてる感じがする。昇太師匠の落語の好きなところは、器の小さいひとびとがトラブルに巻き込まれてテンパってキーってなってくその様の素晴らしさなのだけれど、このキーが何とも弱く感じられてしまった。あと新作落語の古さが辛かった。妻と娘に虐げられるお父さんはいいとしても、虐げられ方がさあ、巨人戦見せてもらえないとか、パンツ一緒に洗わないでとか、それってどうなの、と思わざるを得ない感じ。合間合間の小話は面白かったんだけどなー。一緒に見るはずだった彼女は仕事で間に合わず、下北の駅前のマクドナルドで合流。めっちゃ落ちこんでいたので、正直そんなでもなかったよ、絶好調時を10とするときょうは6とかそんなもんだったから見れなくてもそこまで残念なやつではないよ、と伝えるも、それは全く慰めにならない、逃した魚は大きくあってほしい、と返され、それはそうだな、と納得する。新宿に移動しご飯。前から気になっていたもつ焼屋に入り、もつ焼屋のように見えるが実はイタリアンのお店である、ということを知る。こういう予想外に出くわすとなんだか嬉しくなる。大海老の沖漬けと鹿のステーキとミートソースのパスタが美味かった。

 

金曜日は働いてご飯食べて寝て終了。明けて土曜日。起床して洗濯機をぐるぐると回し、ついでになんとなく骨付きマトンを解凍する。ヨーグルトでマリネし、しばし寝かせる。そのあいだに宅配便を受け取る。ソープディッシュ、歯ブラシ、ガーリックプレス。必要なもの、必要なもの、必要ではないが人生に彩りを添えるもの。新しいオモチャはすぐ使いたくなるに決まっており、この日のカレーには大量のニンニクが投入されることになった。たっぷりの油にたっぷりのグリーンカルダモン、それにブラックカルダモンもひとつ。クセのある臭いだがマトンカレーには良く合う。クローブ、クミンシード、マスタードシード、カシア、フェネグリーク、と景気よく投入。香りが出たら玉ねぎ。いつもよりしっかりした飴色になるまで炒める。その間にガーリックをプレス。プレス、プレス、プレス。ひと玉まるごとプレスしたった。でもアレですね、ガーリックプレスに期待するムーヴって、ギュッ、ムニュッ、ポトッ、じゃないですか。ムニュッと出てきたガーリックはポトッと落ちてほしいじゃないですか。このポトッ、が一切起こらない場合、どうすればよいのでしょう。最終的にひと玉丸ごと分の粉砕ガーリックがモチャッとダマになってガーリックプレスにくっついていました。爽快感ゼロ。飴色になった玉ねぎに大量のガーリックと生姜を投入。ついでに香草の根と茎もみじん切りにして投入。よく炒めてトマト缶、よく水分を飛ばしたら、骨付きマトンをマリネしてたヨーグルトごと投入。コリアンダー、クミン、チリとターメリックの各パウダーも投入し炒め、水を多めに。ここから二時間煮込み、食べる直前に香草の葉を添えて、マトンカレー完成。

 

カレー作ったりカレー食べたりしていたら結構いい時間になっており、慌てて支度して新宿モリエールへ。かもめんたる単独ライブ「ノーアラートの眠り」。行きしなにチケット発券したら最前列でビビった。最近チケット運いいな、ceroの野外は申込みすら忘れてたけど、取れたチケットの座席はやたらといい感じなんだよな。お久しぶりのモリエール。たしか劇団ひとりの単独ライブ以来だ。ずいぶん時間が経ったなあ。その間に隣のビームスビームスじゃないみたいになったし、大塚家具も大塚家具じゃないみたいになった。

 

とても面白いお笑いを見た、と言うより、とても面白い芝居を見た、という方が実感に近い。「研究所」「山菜採り」「監督」「量販店の関西人」「性癖の嘘」「フードファイター」「眠民のおじさんとショートスリーパーの私」便宜上、各ネタにタイトルをつけるとするとこんな感じだろうか。いちばん好きだったのは「山菜採り」。山菜採り名人が山菜採りを虐殺に例える、そこまではわかる。けれど、それを咎められてからの「いや、俺らには絆あるんで、部外者にはわからないんで」「だからこれDVみたいなもんなんで、ってそれやっぱ駄目っすよね」まで行くと、発想の飛躍の美しさに素直に感嘆してしまう。「監督」も良かった。誤解によって生まれてしまった気まずい空間の中、精いっぱい誠実に振る舞おうとする二人、それによって更に膨らんでいく気まずさ。玉田企画が恐らくやろうとしていることが短時間に凝縮されている。あと槙尾さんの女装の上手さ。あれは「女装」というより「秘めたる女性性の解放」という方が正しい気がする。あのフードファイターの嫁の自然さといったら。「男性が女性を演ずるが故の面白さ」みたいなものが全く無い、最初から女性が演じてるのと変わらない気持ちで見れてしまう。この自然さは何なんでしょう。かもめんたる、とにかく面白いので舞台とか気になる人は見にいったほうが良いです。東京はきょうまで、当日券もあるみたい。地方もツアーがあるらしいので、是非。

 

帰りがけ、紀伊国屋で本を何冊か。ヒロアカの最新刊、長谷川町蔵「あたしたちの未来はきっと」、舞城が載ってる「新潮」に松浦理英子が載ってる「文學界」。スーパーにも寄ってハーゲンダッツのバニラとラムレーズンをパイントで購入。帰宅してコタツに入り、パイントから大きなスプーンで直接アイスを食べながらふたりで読書。ときおり彼女とパイントを交換する。2冊ほどやっつけた結果、バニラとラムレーズンではラムレーズンのほうが早く溶けるとの学びが得られた。

 

コタツと本が眠気を誘って自我も蕩けて後は寝るだけ。いい一日だった。