bronson69の日記

いつか読み返して楽しむための文章。

与太話

何の努力もしないで棚ボタ式に大金を得たい、と真剣に思っている。

 

風が吹いたら桶屋が儲かる、という言葉があるけれど、あれだって風が吹いてホコリが目に入って盲が増えて三味線の需要が増えて野良猫が減ってネズミが増えて桶を齧るから桶屋が儲かるのだ。つまり、桶屋は大忙しなのである。そんなのはごめんだ。俺は寝っ転がったまま大金を得たいのだ。労働の結果、報酬として大金を稼ぎたいわけではないのだ。

 

そんなうまい話は世の中には無い。そんなことは俺にだってわかっている。俺は怠惰ではあるが馬鹿ではない。うまい話はほとんどが詐欺だし、そもそもうまい話に乗りたいなんて思っちゃいない。能動的な行動をすること一切なしに大金を得たいのだ。儲け話を聞くために新宿のルノアールで同級生にすごい人を紹介される、なんて面倒くさいイベントには関わりたくない。マルチのトップから2番目くらいの親になれる、とか言われたってそんなのはお断りだ。競馬も競艇toto BIGも未公開株も御免こうむる。そういうことじゃないのだ。俺は何もせずに大金がほしいのだ。

 

俺が求めているのは例えばこういうことだ。普通に会社で働いて、スーパーで半額の弁当を晩飯に買う。背中を丸めてスマホの画面を見ながらトボトボ歩いて帰宅して、ドアを開けた瞬間、天井からドサドサドサー!と札束が落ちてきて下敷きになって窒息寸前、みたいなやつ。或いは、くったりと疲れて帰宅して、たまにはシャワーじゃなくてお湯に浸かるか、と風呂に湯を張って、温めの風呂の心地よさについウトウトとしてしまう。ああヤバい寝てしまった、と目を覚ますとお湯の代わりに万札がギッシリ、みたいなやつ。書いてみてわかった、俺は超常現象を求めているのだな。

 

超常現象に期待したって仕方ないので、とりあえず一獲千金チャレンジ欲を満たすためにtoto BIGを買ってみた。当選の暁には、催眠術でも使ってtoto BIGを買った記憶を消そうと思う。そしたら意味のわからぬ大金だけが口座に残ることになる。そのとき俺は喜ぶのだろうか。それとも怖がるのだろうか。

 

まあそんなんどっちでもいいわな。嗚呼、toto BIG当たらんかなあ。大金ほしいなあ。