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bronson69の日記

いつか読み返して楽しむための文章。

部屋とワイシャツと私

大きな穴があいてた。
大きな幸せで蓋してた。
大きな幸せがなくなった。
大きな穴は深く深くなってた。
のぞきこむと、深い深い穴の底に、腐りかけた肉があった。
俺だった。
俺は俺を見るのははじめてだった。
仕事もできず、人から好かれず、世の中についていけない、腐臭を放つ、肉の塊。
俺とはそういうものだった。
俺は大きな石を持ち上げ、穴の底に投げ入れた。
腐肉が潰れればいいと思った。
俺は後頭部に衝撃を感じた。
俺の頭が握りつぶした卵のように潰れた。
俺の体は穴の底へ落ちていった。
おさまるべきものがおさまるべきところへおさまり、世界は何も変わらずに進み、俺はどこにもいなくなった。