bronson69の日記

いつか読み返して楽しむための文章。

気晴らしに適当なことを

どうも最近よろしくない。悲しいことがあるわけでもなく、楽しいことがないわけでもなく、割と平穏無事にすごしているのだけれど、どうもあんまりよろしくない。いつも疲れていて、くさくさして、だらしなくて、虚ろで。人知れず下水に浮かぶ腐った水死体のような気持ちでいる。水死体に気持ちと呼べるものはあるのだろうか?なったことがないので正確にはわからないけれど、たぶんあるんじゃないかと思う。そもそも人知れず浮かぶ水死体なんて存在するのかもわからない。だって人知れないんだから。シュレディンガーの水死体だ。観測するまではそれが猫か水死体かは確定しない。猫と水死体は重なりあった状態で存在する。つまり猫ゾンビ。筋肉少女帯の歌詞やら大槻ケンヂの小説やらに出てきそう。小説といえばクトゥルフ神話にも猫ゾンビ的なの出てきたな。バステトだったっけ、エジプトの神様みたいなやつ。でもバステトより猫ゾンビって響きのほうが僕は好きだ。だから僕は君を猫ゾンビって呼ぶことにするよ。たぶん呼んでるうちに猫ゾンビからビが取れて猫ゾンになる。語感的には板橋ザンギエフのパチモンみたいになる。そういえば新宿の花園神社の近くにねこ膳って24時間営業の定食屋って名目の飲み屋があって、行ったことは一度もないんだけど、いま一緒に住んでる彼女と初めて会ったとき、明け方にゴールデン街のとこで待ち合わせて電話したらいまねこ膳にいますって言われてじゃあそっち行きますねいえいえ私がそっちに向かうんで、ってなってお互いがお互いのほうに歩いていって花園神社の境内で出くわして始めましてをやったのでした。だからはじまりが水死体の気持ちであってもわしゃわしゃわしゃーっと書き連ねていけば彼女と初めて会ったときの記憶に行きついてほんわ〜っとした心持ちにもなれるわけで、あれもしかして人知れず腐ってる水死体の気持ちってこれ?こんなあったかい気持ちで腐ってんの?こんなあったかい気持ちだから腐っちゃうんじゃないの?それとも腐ってっからあったかいの?なに?発酵?なんてやめてくださいそんな急に問い詰めないでくださいわかんないですほんとわかんないんですだってわたしただのバイトなんですまだ初めて2週間なんですはいそうなんです新米なんですだからそういうのは社員さんに聞いてもらえますか…社員さんもどっかで死んでますんで…あなたもそのうち死にますよ…ここから出られず死にますよ…死んだら最初は試用期間ですから…時給650円ですから…深夜ですか…?さあ…ここじゃ時間もわからないので…何しろ深い深い下水の底の底ですから…仄暗い水の底ですから…水の底には竜宮城がありますから…仙波山には狸がおりますから…それを猟師が鉄砲で撃ちますから…煮ますから…焼きますから…食いますから…あソーレヨイヨイヨイヨイオットットットッ!ヨイヨイヨイヨイオットットットッ!あチュチュンがチュン!あチュチュンがチュン!でーんせーんに!すっずめがっ!3羽とまってたっ!

 

 

適当なことを書きつらねたら少しだけすっきりした。

 

このあいだ、少し早く帰れた日、名前のわからん大ぶりの木の枝を3本買って、円筒形のガラスの花びんに入れて部屋に飾った。ぴかぴかした緑の葉が部屋の隅でわさわさとしてそこだけやたらと生き生きしていた。素直に綺麗だと思った。あやかりたい、と思ったし、一生あんなふうにはなれないままで構わない、とも思った。どちらもほんとうの気持ちだった。

 

枝はまだ部屋の隅でぴかぴかと輝いている。