bronson69の日記

いつか読み返して楽しむための文章。

年末と年始のことなど

気がつけば正月も終わり、正月の残り火のような連休も終わり、浮かれ気分もどこへやら、ロックンロールも鳴り止む時間が来てしまったようである。年末と年始。一年でいちばん静かで新鮮で敬虔でときめいてしまう数日間。そちらの年末年始はいかがでしたか、こちらの年末年始はたいそう落ち着いておりました。同居してる彼女が年末からがっつり発熱。病気的な彼女にポカリやお粥や解熱剤を供えつつ、合間合間に膨大な録画を消化したり、やや豪華なお惣菜を食べたりしていたら転がるように年が締まりあれよあれよと年が明けた。あけましておめでとうございます。年が明けても彼女の風邪は治らず、お供え物を増やそうと外へ。元旦。前に住んでいた新宿とは違い、この街の年末年始は静かである。個人商店ばかりのこの街では、三ヶ日はどこの店も休みであり、人影もまばらで、まっすぐ続く道路にはただ青く冴え渡る空と凛とした空気が広がっている。さむさむ、と口の中で呟き、部屋着に羽織ったパーカーのポケットに手をいれる。背中を丸めて誰もいない道路を歩く。小さな歩幅でせかせかと歩く。なんだか鶏みたいだと思う。目的地の西友に着くまで誰ともすれ違わない。西友の店内にも誰もいない。まさかウォーキング・デッド…?帰ったら彼女もウォーカーになってるパターン…?と思ったが薬局コーナーには薬剤師さんがスタンバってくれていたので懸念は払拭された。元日からお疲れ様です。とてもとても助かります。助言に従いドリンク薬と濡れマスクと冷えピタを購入。店内まわってレンジで暖めるゆたんぽと小さな加湿器、それからたまごとネギとうどんとヒガシマルのうどんだしも購入。帰宅、加湿、ゆたんぽ加温、なんか食べる?食べられそ?からのうどん作成。食べて薬で冷えピタで睡眠。翌日にはなんとか熱も下がり、明けて正月休み最終日、上野鈴本初席へ。ようやく正月らしい感じでとてもようございました。

こんな感じで半分くらいは看病な年末年始だったのだけど、看病、正直楽しかった。病人のお世話をすることによる自己効力感の獲得!代理ミュンヒハウゼン症候群!みたいな怖い話ではなく、ほんとにそういうんじゃなく、なんというか、こう、家族みたいだなって思った。同じ家にいて、ちょいちょい寝室に様子を見に行って、心配したり世話をやいたり、そういうのがとても嬉しかった。のんのんとした日常の風景、新聞四コマの中で起こるくらいのささやかな事件、そういう緩やかな時間の流れがとても愛おしく思えた。

今回の年末年始はこんな感じ。そういうわけで皆様ハッピーニューイヤー、良い一年になりますように。