bronson69の日記

いつか読み返して楽しむための文章。

梅雨晴れの土曜日

土曜日。東京は心地よい晴れ。梅雨の中休み。久しぶりにシンプルな日記。

 

昼過ぎにのそのそと起きて洗濯をする。徹夜で原稿仕事をしていたらしい彼女は床で布団をかぶって眠っている。暑がりの僕にあわせて部屋の温度は幾分低めに設定されており、それによってタオルケットではなく羽毛布団を選択したものと思われる。すまんなあ、苦労かけるなあ、でも暑いと寝汗でかゆくなって寝てるうちにボリボリかいちゃってお肌ヒリヒリなんねんすまんなあすまんなあ、と心で謝罪し、彼女のTシャツをやや丁寧に洗濯する。まだ洗濯機が回転を止めないうちに彼女は目を覚まし、超超超近未来に目覚ましをセットしてまた眠る。カップラーメンが二つできるくらいの時間で枕の下のスマホが重低音を鳴らし、3バースめが終わるところで彼女はそれを止め、また眠り、低音が響き、3バースめで止め、それが3セットほど繰り返される。要するにフリースタイルバトルのカラオケである。3バースめが終わり、どちらかに勝敗が決したところで彼女は起きる。起きて呆然としている。ボーッとしている、といのとも少し違う。仕事の進捗を確認しているのか、待合せまでの時間を逆算しているのか、それともシンプルに再起動中なのか。僕にはわからない。わからないが、呆然としている。呆然が終わると、絶望が始まる。たぶん働きたくないのだと思う。そうだとしたらその気持ちは大変によくわかる。呆然と絶望のと、再起動が終了し、あるいは健全な諦めが訪れ、そこからの彼女は早い。気持ちを立て直し、歯磨き洗面、着替、メイク、仕事道具の確認と支度を整えていく。僕はベッドに座ってそれを眺めている。洗濯が終わるのを待っている。

 

洗濯物を干し終わるまで待ってもらい(洗濯機とのマッチレースに彼女は勝ったのだ)、彼女といっしょに部屋を出る。タクシーに乗り込む彼女を見送り、赤坂へ。ビックカメラの酒販コーナーでジンを眺める。去年の夏、やたらとジンを飲んでいた時期があり、それからというもの、プレミアムジンに目がないのだ。ニッカが出したカフェジンというやつを買おうと思っていたのだけれど、同じく国産プレミアムジンの季の美ってやつも気になってしまい、決めきれずに買わずに退散。「買うかどうか」ならあまり悩まずに買ってしまうのだけれど、「どちらを買うか」だといつも決めきれずに悩んでしまう。お金があれば両方買うのだけど。お金はたくさんのことを解決する。畜生、金が欲しいぜ。そのまま何も買わずに銀座線で日本橋へ。高島屋のオーボンヴュータンでケークアングレを購入。珍しくいろんなケークが残っていたので、ついでにショコラオランジュも購入。徒歩で東京駅に移動し、改札をくぐってはせがわ酒店へ。赤武酒造の日本酒を購入。震災後、地元に移転してきたという蔵のお酒。日本酒にはまったく詳しくないのだけれど、やはり地元の水で仕込んだ酒というのは気持ちが乗っかるものだ。それから毎日が駅弁大会な駅弁屋さんを眺め、かきめしやますのすし、牛肉どまんなかなどの有名どころに混じってジャマイカ弁当なるものが売られているのを発見し即座に購入。ジャークチキン(独特のソースにつけて焼いたチキン。美味い。)、スマンプアンドゴー(タラとトウモロコシ粉のフリッター。美味い。)、ライスアンドピース(ココナツミルクで炊いた豆ご飯。美味い。)など、妙に本格的な内容。これはいったいどこの駅弁なのだろう?と思っていたら、レジでジャワティーホワイトを渡される。どうやらこれはジャワティーのコラボ弁当で、「ジャワティーは世界のどんな料理にも合うぞ!」ということを証明するため、いろんな国の弁当を出しているらしい。ジャワティーの担当者は馬鹿なのか。しかしこういう企画は嫌いじゃない。新宿へ戻ると仕事が終わった彼女から連絡。お腹すいた、何食べたい?うーんと、ビリヤニ。というわけて紀尾井町のエリックサウスへ。ミントチキンティッカ、オクラとトマトのカレー、チキンとたまごのカレー、バスマティライス、マトンビリヤニ、それにデザートのマンゴークルフィとココナツケーキ。完璧。エリックサウスはいつ行っても安定して美味しいから偉い。その割に混んでないし。謎。店を出て弁慶橋を渡る。やっと涼しくなった空気と青くライトアップされたお堀端の並木がぴったりですごくよかった。駅で彼女を見送り僕も帰宅。家でジャワティーホワイト飲んだらあまりに美味しくて興奮しながらネットでケース買い。ちょっと買いすぎたかなあ、置く場所ねえなあ、と思いながらの就寝。

 

明日は大事なお呼ばれの会。赤武のお酒とオーボンヴュータンのケークは喜んでもらえるだろうか。楽しい会になるといいなあ。遅刻しないように、早く寝ないとな。寝れないなあ。