読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

bronson69の日記

いつか読み返して楽しむための文章。

ぼんやりとした一日のこと

ぼんやりとしている。ぼんやりとしながら毎日を過ごしている。なにしろ気候がいい。世間的には冬、寒い、でも個人的には最高の適温。歩いても歩いても暑くならない。熱いものを食べても暑くならない。最高最高最&高。コーヒーカップでランデヴーとおんなじくらい最高だ。最高なので遅い時間に中華料理食べてあんまり美味しくなくってどうしても口直しに甘いものが食べたくなったらちょっと遠くのロイホまでテクテク歩くなんてこともできてしまう。できてしまうことはやってしまうに決まってるわけで、だから僕らはスピッツの「ナナへの気持ち」を鼻歌しながら深夜の明治通りを歩いている。霧雨と小雨の中間くらいの、スコットランド人なら傘をささないくらいの雨が降っている。彼女はビニール傘をひろげて、僕の身長にあわせるように、傘を持つ手を高く伸ばす。いいよいいよ、手が疲れちゃうよ。そう言ってぼくはわざと傘の外に出る。彼女との身体距離が少し離れる。ほんの一歩離れただけなのに、なんだか少し寂しいな、と思っていると、彼女は傘をたたんで、一歩の距離を詰めてくる。傘をさすほどの雨じゃないね、これくらいの雨、生粋のイギリス紳士ならきっとレインコートだけで済ますよね。それで僕らは明治通りをそのまま濡れて歩いた。寂しくないくらいの身体距離を保ちながらロイホまで濡れて歩き、平日の深夜のガラガラのロイホラ・フランスのパフェとヨーグルトサンデーを食べ、日付が変わるまで取り留めもない話をした。寝て起きたら忘れてしまうような、楽しさだけが残るような、そんな話。たっぷり話しこんで、追加で頼んだシロップたっぷりのパンケーキも平らげて、眠くなってきたころ店を出た。明日も朝から仕事かー、行きたくないなー、みたいなありがちな話をしながら、ホテホテと歩いて家に帰った。朝まで眠って、翌朝は少しだけ遅れて会社に向かった。そんなだから、その日もやっぱりぼんやりとして一日を過ごした。

 

ぼんやりとしたある日のこと。

最&高な一日のこと。