bronson69の日記

いつか読み返して楽しむための文章。

君の名は。

新海誠監督「君の名は。」を見てきたので感想文。

面白かった、いくつかのボーイミーツガールな場面では涙がこぼれそうにもなった。

でも、細かい「ん?」が多すぎて、物語に没入することができなかった。

ということで「ん?」ってなったポイントについて書く。

当然ネタバレしまくりなのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・3年ズレてたら気づくだろ

お前らが使ってるスマホに西暦は表示されないのか。学校で「何年」「何年度」みたいな表記を目にする機会はなかったのか。三年分のスマホの進化ってやべーと思うんだが、違和感を覚えなかったのか。

 

スマホのデータはなぜ消えた

「入れ替わりのあとは記憶が消える」「だからブログ?スマホにローカル保存した日記?を書いて補完する」これはわかる。でも、みつはが死んで入れ替わりが起こらなくなったあと、データが消えるのは何故?どういうルールでそうなったの?消えるならば記憶と同様にもっと以前から消えるべきでは?

 

・口噛みの酒の入れ替わり

あれが「入れ替わり」なら、口噛みの酒を飲んで入れ替わるのは、「隕石が落ちてくる日の朝の時点のみつは」でなくてはおかしい。でもあのみつはは「あのとき、死んだんだ」みたいなことを言う。あのみつはは死者?なんで隕石のことを知ってるの?

 

・「ここから先は彼岸」の意味

山の頂上の火口跡の真ん中の「御神体」は水に囲まれた島にある。水を渡るとき、おばあちゃんが「ここから先はあの世、戻ってくるには半身が必要」みたいなことを言う。この設定、死んでない?滝くんとみつはが初めて出会うシーン、火口跡の円周上で出会うじゃん。あの円周上は、マージナルでも何でもない場所なんだよね。境界は「水」なんだから。あの円周を境界にしておけば、あの円周での出会いに理由と意味が生まれたのに。境界だから異なる世界に存在する二人でも声が聞こえる、さらにかたわれどきが乗っかって姿が見える、触れられる、って。ジブリなら「境界」の扱いはもっときちんとやるだろうな。

 

・登山の所要時間

やたら時間かかるシーンと、ダッシュで山頂登り降りな感じのシーンが両方あるのだが、どうなってんの?クライマックス近くのシーンでは、制服女子高生が明かりも無しにダッシュで下山しているように見えるんだけど、無理じゃね?遭難必至じゃね?つーか、登山道をママチャリで登るってなんなの?

 

・村長の説得

村長はリアリストとして描かれているのだけど、何がどうなって説得されたの?説得材料は何も増えてないと思うのだけど…

 

・事件の隠蔽

500人以上が変電所の爆破を見ていたわけで、流石に隠しきれないと思う。週刊誌の取材なんかもあったわけだし、あれはバレる。警察沙汰になるよ。

 

・隕石の落下速度

最初に落ちたときと二度目に落ちたとき、落下にかかる所要時間が違いすぎやしませんかね。

 

・謎の移動

街の描写はやたらと写実的だから意味がないとは思えないのだけど、就活中、先輩とのデート?のシーン。四ツ谷駅で待ち合わせ、赤坂見附に移動し、徒歩で四ッ谷に戻ってるんだけど、何をしたかったの?あ、お散歩デートだったのかな?

 

こんな感じで、粗を上げればキリがない。僕は気が付かなかったけれど、彗星の軌道や電車の乗り入れにも間違いがあったらしい。優れた点ももちろんある映画なのにな、勿体無いな。

単純に言って雑なんだと思う。美味しそうな料理を、適当な盛りつけとささくれだらけの割り箸で食べさせられてる感じ。「味は変わらないからいいだろ、細かいことを気にせずに食えよ」って言われても、ささくれ指に刺さっちゃってるんですけど…と思う。興味がないのはわかるのだけれど、ボーイミーツガールで胸キュンなシーン以外にももう少し力を入れてほしい。物語という大嘘を信じ込ませるために、小さな嘘の整合性をとってほしい。握った手を開いたら「すきだ」って書いてあるシーンとかさ、ラストの階段のシーンとかさ、グッとくるとこはたくさんあったんだ。一緒に行ったひとにも「細かいところは気にしちゃダメだよ」って言われたんだけどさ、俺だって素直に物語に乗っかりたかったよ!でも気になるとこがあんだけたくさんあったら、気持ちよく乗っかったりできないよ!

 

あと、この脚本、映画より演劇のが相性いいんじゃないかなー、と思った。演劇って、つながりが弱くても矛盾があってもあんまり気にならない、フィーリングが繋がってて熱量があれば流れで押し切れる表現形態だと思うので。きっともっと直感的に観られる。

 

以上です。

次は何を観ようかなー。