bronson69の日記

いつか読み返して楽しむための文章。

本屋、サウナ、薄茶割り

土曜日。
夏がどんどんギアを上げてくる。夏め。

割りと早めに目が覚めて、山のように洗濯をする。汗をかく季節になったから、洗濯物が増えた。
洗い上がったシャツやタオルをカゴに山盛りにし、外は暑いので部屋の中でハンガーに掛けていく。シャツを三枚残してハンガーが足りなくなって、失敗したなあと思いつつ窓を開けると、物干し竿にハンガーが三本揺れていた。ラッキー。朝から幸先いいね。

物干し竿にびっしり洗濯物を並べ、キッチンに移動。昨日、スーパーで半額の鶏肉を買ったから、料理してしまわないといけない。何作ろうかな、と考えながら玉ねぎを刻む。まあ、カレーだよね。トマトも使わないとグズグズになっちゃうし、ズッキーニもたくさん入れてね。
毎日カレーを作っていたら、自分なりにインドカレー作りのコツがわかってきた。スパイスを入れるタイミング、火を入れる加減、水と塩の使い方。何より大切なのは、テキトーに、ダイナミックにやること。油もスパイスも、ちょっと入れ過ぎかな…?くらいでちょうどいい。スパイスの分量も、計量スプーン使うには使うけど、大ざっぱで構わない。ターメリックとチリペッパーは同量、コリアンダーはその倍。これだけ守れば大丈夫。インドのひとはもっともっとテキトーだろうし。インド行ったことないけど。

香辛料の立ち込めるキッチンはとても暑くて、カレーが出来上がるころには俺は汗だくになっている。扇風機の風をガンガンに浴びながらカレーを食べる。はー、辛い。旨いが辛い。一皿平らげて、さらに汗をかいて、さてどうしよか、汗を流さないと。

すぐにでもシャワーを浴びたいところだけれど、グッとこらえてそのまま外へ。強い日差し、ドロンとまとわりつく空気、夏だ、もう完全に夏のやつだ、これからどんどん手加減なしの夏になるんだ、ちくしょう夏め、夏め…と思いながら自転車こいで、まずは、本屋。
インドカレーのレシピ本を買おうとして、何冊か読んで、買う必要はないと判断、代わりに雨宮まみさんの「まじめに生きるって損ですか?」とスティーブン・ミルハウザーの「エドウィン・マルハウス」を購入。エドウィン・マルハウス、文庫なのに1500円もすんのね。ちょっと驚いた。

サマージャム95的には本屋のあとは蕎麦なんだけど、もうお腹は満ち足りているので、本来の目的地の銭湯へ。古い住宅街の昔ながらの銭湯。900円でサウナとタオルがついてくる。木の下足札、破風作りの高い高い天井、七種類の浴槽、二種類のサウナ、井戸から汲み上げた水風呂。いっぱいのお客さんには、土地柄か、全身にtattooありのお爺さん、色黒ガチムチおヒゲにピアスのお兄さんがチラホラ。でも殺伐とした雰囲気はなく、みんな弛緩しきった感じ。備え付けのボディソープとシャンプーで身を清め、浴槽につかり、サウナへ。浴槽は銭湯にしちゃ温いくらいだったのだけど、サウナは灼熱。肌が痛くなるくらい熱い。先客はおらず、砂時計を使おうとしたらまだ砂が落ち続けていた。前の人、砂時計分まで耐えられなかったんだな。わかるよ、すげー熱いもん、ここ。

サウナと水風呂を3セットやって、毛細血管の一本にいたるまで血液を循環させて、完全に整って帰宅。友達を呼び出して再出撃。前々から気になってた飲み屋へ。どこか品の良さを感じるバラックみたいな掘っ立て小屋(矛盾するけど本当にそんな感じなのだ)の引き戸を開けると、そこからはいい意味で予想外の連続だった。適当に出される食べ物、高級品はないけど全部美味しい。コックさんの服(あれなんて言うんだろ?)に身を包んだ初老のマスターと話しながら酒を飲む。いろいろ話を聞いたけれど、いちいち驚くことばかりだった、書けないけど。それにしてもいろいろ美味しかったです、キンミヤをきちんと点てた薄茶で割って飲むやつ、夏にぴったりでした。

そこから駅のほうに出て、ベルクでギネス、G街でレモンサワー、バーでジンとまわって、締めは嵯峨野で蕎麦とビール。揚げたての天ぷらと150円ビールのコンボは何度訪れても興奮させられる。新宿でいちばんコスパの高い飲み屋はここで間違いないと思う。

存分に楽しんで帰宅。
選択した行動のすべてが最高で、要するに最高だった。
あまりにも楽しかったせいか、なんとなく、久々に、唐突に、いま恋人がいたらいいのにな、と思った。

人の心は面白いね。
ちゃんと移り変わっていくんだね。
季節の移ろいとともに、ってなんだかベタ過ぎる感じもあるけどさ。

きょうも熱い一日になるらしい。
よし、起きるか、起きて洗濯からはじめっか。
はじめっかー。