bronson69の日記

いつか読み返して楽しむための文章。

好奇心はおじさんを集める

金曜日。
夏。
俺は北東北基準で暑がり&汗っかきなので、最高気温が24度もあるならばそれは夏なのです。
外で行動することが可能なレベルの夏。
あとほんの少し涼しければ初夏の爽やかな陽気と言えたのにね、惜しかったね、残念。

新橋へ出かけてそのままノーリターン。
疲れたので寄り道せずに帰ることにして、山手線の端っこに乗ってゆるゆると新宿へ。
降りたら南口改札に続く階段の真ん前で、あ、そーいえばNewomanってもうオープンしたんだよね、と見学に。

下から順に、フロアを登りながらひと通り眺めていく。
思ったより人いないな、ブルーボトルコーヒーも数人しか並んでないや、時間が早いからかな。
ショッピングフロアは思ったより狭いな、レディースばっかだな、まあメンズあったってサイズないんだろうけど。
エスカレーターで上に進み、あっという間に一番上のフロアにでる。
って、あれ?ここ4階?流石に低くない?
と思ったら、上はオフィスフロアなんだね。

4階うろうろしてたら、屋外のテラスへ通じる道があった。
夕暮れ時、高いところから見下ろす山手線。
風はようやく四月の夜らしく、冷たいくらいで心地よい。
広いテラス。
角を曲がると、上へ続く階段がある。
上、というか、斜め上?
登っていくと、また別のテラスに出て、そこからまた階段が伸びている。
例えるなら、ドラクエ天空城とかラピュタとか、ああいうやつの外壁についてる階段みたいな。
テラス、階段、テラス、階段、テラス。
歩いて、景色みて、登っていく。
ふと気づけばテラスと階段を探検しているのは単独行動のおじさんばかり。
そうだよなあ、風は強いし冷たいし、特にオシャレな景色が見えるわけでもなし。
カップルならここまでこないよな。
緑のカバーオールを格好良く着こなしたジャン・レノみたいなおじさん、よれたスーツに身を包んだ永野に似たおじさん、これといって特徴のない普通のおじさん、それと俺。
みんなキョロキョロウロウロしてる。
階段登った目の前が次の階段でも、絶対にテラスを一周してから登る。
ここにいるのは好奇心の強いおじさんばかりなのだ。

代々木駅の向こうまで見通せる高さになって、とうとうてっぺんにたどり着く。
てっぺんは正方形だった。
正方形の土の地面を正方形の柵が囲っていて、俺を含むおじさんたちは柵の周りの細い通路を歩いていく。
歩いていくと反対側にカンバンがあって、「ここは高級な家庭菜園です」的なことがもう少し気の効いた言葉で書いてあった。

天空の城のてっぺんの家庭菜園。
世界樹の苗木でも育てんのかな。
世界樹の苗木には好奇心の強いおじさんを引き寄せるフェロモンでもあるのかな。
そんなことを思いつつ、俺を含むおじさんたちは回れ右をして、元来た階段を引き返していくのでした。

下の写真は、その菜園で果実っていたレモンです。
たぶん食べると不老不死になる。
それか好奇心が満たされる。


f:id:bronson69:20160422221618j:image


そこから仕事の本を探しに紀伊国屋へ。
でも見つからず、変わりに「増補 エロマンガ・スタディーズ」を買って帰り、キムチとエリンギの炒めものなど作って食べて、食べてからオイスターソースを入れ忘れたと気づいて悔しい気持ちになっている。

そんな感じの一日でした。