bronson69の日記

いつか読み返して楽しむための文章。

それだけ

くっそ寒い一日だった。
寒かったし遅くなったので徒歩帰宅を断念してひさびさに電車で帰った。
鍋にしようと思ったけど面倒になって納豆とキムチと生のセロリだけ食べた。
おしまい。

ふと思い出した話。
昔の彼女とやった遊びで、面白いとかじゃないんだけどでもなんかちょっとホントだったらいいな、と思うような嘘をつく、ってのがあった。
山の頂上でおむすびを食べていたら落としてしまってすごい下まで転がっていった、とか、SK-Ⅱよりヘチマコロンのほうが効果がある、とか、まあそんな感じのやつ。

ひとつだけ、ちゃんと覚えてる嘘がある。
子供のころ、北東北に住んでいて、冬になるとみんなかんじきをはいて登校していた、という話。
もちろん嘘なんだけど、そんなだったらいいのになあ、と今でも思う。
今日みたいに寒い日、たくさん雪のふった日は、みんなかんじきをはいて歩く。
新雪の上に、小さな丸い足あとがたくさん残ってる。
はきなれないかんじきが嬉しくて、たくさん寄り道して、えっちらおっちら歩いて、汗かいて真っ赤な顔で家に帰る。
そういうのだったら、なんかいいと思う。

だからどーした、は何にもない。
毒にも薬にもならない。
ただ、なんかいいなあ、ってだけ。  

それだけ。