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bronson69の日記

いつか読み返して楽しむための文章。

とりあえず年末と年始のことなど

年末年始が終わった。

「年末年始が終わった」、この一文の終わって始まって終わる感覚すごい。
佐藤雅彦が頭クラクラするやつだ。
ゴミ袋にゴミ袋の入ってた袋を捨てたりとか。
新しいお財布買ってお金がなくなったりとか。
脳内ピタゴラスイッチ的なやつ。
ピタゴラスイッチけっこう便利で、酔っぱらって皿とかコップとかひっくり返したときにも使える。
ニッコリ笑ってピタゴラスイッチと言うと、ただのやらかしがなんか賢気で意味のある行為みたいに思えてくる。
ドンッ、ガシャーン、ガラガラガラーン。
ピタッゴラッスイッチッ。
ね。

そんな話はどうでもよくて、年末年始が終わった。

年末年始の楽しさに初めて気づいたのは6年前のことだった。
実家に帰らなかった初めての年だった。
それから、初めてレコーダーを買った年で、同棲を始めた年でもあった。
大晦日に二人で買い出しに出かけ、おせちのかわりにDEAN & DELUCAのお惣菜を好きなだけ買った。
少し高いワインと日本酒も買った。
お雑煮だけは自作した。
年末年始の特番をたくさん録画して、美味しいお酒とお惣菜を食べて、たっぷり笑った。
そのままこたつで寝て、飽きたら公園に散歩に出かけた。
それが最高に楽しくて、我々はクリスマスより年末年始を愛するようになった。

今年はひとり暮らしになったけど、実家には帰らなかった。
テレビの録画機能とレコーダーを駆使した録画パズルをなんとか終わらせた。
ゴールデン街の凪でラーメンを食べ、それをもって年越しそばの代わりとした。
お惣菜とお酒を買おうと伊勢丹に行ったけれど、お惣菜エリアは人が多すぎてやる気を失い、別の売り場でチーズとワインだけ買った。
魚売り場に行ったら「鮮魚」「練物」のとなりに「魚卵」というコーナーが出来ていて、アラレちゃんの帽子についてる缶バッジくらいのサイズのキャビアの缶詰に90000円の値がついていた。
こんなん誰が買うん、と思ってたら、普通の主婦が目の前でお買い上げなされて、カードで、というので何色か見てやろうとしたら、普通に普通のセゾンカードで、全面的に負けた気持ちになった。

夜は友達カップルの家に遊びに行った。
新宿の街と親友の家がどちらも徒歩圏内というのは本当にありがたいことだ。

良い酒をしこたま飲み、近所のお寺に初詣に出かけた。
初めて除夜の鐘をついて、あーこれ楽しいねもう一軒いこうもう一軒、てなって、新宿駅近くのお寺で除夜の鐘をおかわりした。
除夜の鐘ってこんな俗な気持ちでついていいもんなんかいな、でもいま感じてる除夜の鐘たのしい!って気持ちとかワクワクとかってシンプルで純粋なやつだから悪くはないんじゃないの、これも108の煩悩のひとつとか言われたらオレ悲しくなっちゃうよ。
みたいな話をしながら戻った、ような気がする。

ほんで飲みなおして明け方に帰るわーほんじゃあけおめーつって帰り道、靖国通りの歩道橋に10人くらいの人がいた。
ああ初日の出か!って俺もそこに行った。
東に向かって伸びる道、ゆるくカーブするその右側の、ビルやマンションの上の空がオレンジに光っていた。
携帯で日の出の時刻を調べるとあと五分。
周りにいたのは男ばっかのグループ、学生カップル、バングラデシュ人っぽいファミリー、友達以上恋人未満三角関係っぽいグループ、それに俺。
ポケットからイヤホンをとりだして、耳にねじ込んだ。
音楽はシャッフルにした。
あと三分、二分、一分。
日の出の時間になっても太陽は登らない。
当たり前だ、その方角にはビルやらマンションやらあるんだから。
でも辛抱強く待つ。
だんだん人は減り、気づけば残るは俺とバングラファミリーだけ。
日の出の時刻からたっぷり30分、ビルの上から太陽が顔を出した。
眠気、寒さ、達成感。
ちょっとした感動。
ご家族と目があって、お互いにっこり笑って頭を下げる。
あけましておめでとうございます。
アケマシテオメデトウゴザイマス。
イヤホンからは小沢健二の「愛し愛されて生きるのさ」が流れていた。

ほんで家に帰って、寝て起きてシャワー浴びて、近所のヨーカドーで半額になったお正月食材とワインを買い、特番の録画を見ながら酒を飲んだ。
芸人キャノンボールだけはカッコよすぎて二回見た。
テンション上がって初夢見るべき時間に夜の街を徘徊した。
新宿ツタヤでCD借りていわもとQで天ぷらそばを食べた。

これが今年の年末年始にあったこと。
あとはきょう、劇場版テレクラキャノンボールを見に行くかどうか。
まあ、おおむね悪くない年末年始だったと思う。
ひとりが久しぶりだったことを思えば、上出来だろう。

今年はどんな一年になるのかな。
いろんなものを好きになれたらいいな。
小説や映画や女の子や音楽。
二拝二拍手一礼、よい一年でありますように。

あけましておめでとうございます。