2015-12-11 前夜 あすの朝にはこの部屋を出ていくいまは何も書きたくないいつか今夜のことをどこかに書こう書けるようになれたらいいなそのときはなにか、なにかもっとべつのかたちで誰も知らない美しい川の水底でずーっと磨かれ続けるピカピカですべすべの青い石小さいころに閉じ込められた真っ暗な押し入れのすみっこで光る夜光塗料もっともっと、なにかほかの、まだ見たこともないようないつか書けるようになるのかなそんなふうになれるかなあと半日でトラックがくるぜんぶ運び出してしまうあと半日でここを出ていくしらない街のひとになる