bronson69の日記

いつか読み返して楽しむための文章。

ふられた

7年付き合ってて、6年同棲してて、結婚するつもりだった彼女にフラレた。
つい2日前のお昼のことだった。

僕は彼女が大好きで、正直なとこ、依存してた。
もともと社交性が低くて、ほとんど彼女としか遊んでなかった。
彼女は聡明で、センスがよくて、同じところで笑いあえるひとだった。
世の中にこんなにぴったりくるひとがいるなんて、信じられなかった。
生まれる前からいっしょで、死んだ後もいっしょなんだと思ってた。

だから、別れたいと言われても、意味がわからなかった。
頭が理解を受け付けなかった。
体はもっと受け付けなくて、何もかもがおかしくなって、もうなんかぐるんぐるんになってた。

2日ゆっくり話をして、泣きついて、あがいて、彼女はそれにゆっくりつきあってくれた。

私もずーっと一緒だと思っていたよ、
あなたがいなくなって、この先どうすればいいかわからなくて、とてもこわいと思ってる。
でも、わたしはいまの自分が好きじゃない。
わたしは変わりたい。
あなたはわたしのほとんど半分以上だから、あなたといたら、わたしはずーっと変われないと思う。
だから、もう一緒にはいられない。

彼女はゆっくり時間をかけて、こんなようなことを話してくれた。
僕は別れたくない、お願いだからと何度も言って、
彼女は辛そうにごめんねといった。
ごめんね。でももうそうなってしまったから。
自分に言い聞かせるように、何度も何度も繰り返した。

いま、彼女は仕事に出かけている。
片付けが苦手なくせに持ち物が多いという共通の悪癖のせいで、われわれの部屋はいつでも水害のあとのガレキの山のようになっている。
僕はガレキの山の中でひとり佇んでいる。
決めかねている。
自分を立て直さなければいけない、それは分かっている。
でもどうしたらいいのか?
ひとりで生きていくために強くなる?
彼女を取り戻すために強くなる?
自分の半身を捨てる決意をするのか、自分の半身を取り戻すためにあがき続けるのか?

彼女がいなくなるという現実を受け入れるか、拒否するか、決められずにいる。

どうしたらいいのだろう。
どうなるのだろう。

同棲していた6年間でお互いの荷物は膨れ上がっており、同棲を解消し引っ越すにしてもまずはそれを整理しなければならない。

僕はぼんやりしながら手を動かし、ソファの上の洋服の山や、テーブルの上の小物の山を片付けている。
不得意な作業は遅々として進まない。
進まない。進まない。進まない。